「気になるあの方」を読む:袴田巌さん② ~事件当日、冥王星と天王星が試練のトリガーに!~

「気になるあの方」を読む

検察の執念…


本日2023年11月20日、袴田さんの再審3回目の審理が行われました。NHKの報道によると、『検察は、証拠がねつ造された疑いが指摘されている衣類について、「ねつ造は非現実的で実行不可能だ」と主張しました。』とのこと。つまり、検察はいまだに袴田さんが有罪だという主張を繰り返しています。

裁判官ですらねつ造を疑うこの証拠品について、検察が頑なにこだわって、袴田さんを決して無罪にはしないといった執念のようなものは、いったいどこから来るのでしょうか? 本当に不思議です。

さて、前回は袴田さんの、出生時のホロスコープからざっとお人柄や気になるアスペクトを読んでみました。ボクシングという非常に男臭いスポーツで活躍された袴田さんですが、周囲の人の気持ちに共感し、人間関係も調和を望む、ほわっとした雰囲気の方だったように思えました。

今回は袴田巌さんの出生時(ネイタル)のホロスコープに、事件当日の天体の配置がどんな影響を与えていたか、見てみたいと思います。

出生時(ネイタル)の天体と、その時の(トランジット)天体が0度や90度、180度などの強いアスペクトを取るとき、人生における転機が訪れると言われます。

無実を訴えながらも殺人犯として死刑を言い渡され、その後、45年以上も刑務所で自由の身を奪われた袴田さん。そのきっかけとなった1966年(昭和41年)6月30日の事件当日、星の配置(トランジット)はどういうものだったのでしょうかそして、その星の配置は袴田さんの出生時のホロスコープにどんな影響を与えていたのでしょうか? 

事件当時、形成されていた最もパワフルなアスペクト

天王星と冥王星のぴったりコンジャンクション

これは袴田さんの出生時(ネイタル)のホロスコープに、事件当日のトランジットの天体の配置を加えたものです。ホロスコープの周りにある緑色の記号が、トランジットの天体です。

ぱっと目につくのは、赤い丸で囲んだ、トランジットの天王星と冥王星です。この2つの天体は、どちらも乙女座16度、ぴったり0度のコンジャンクションを作っていました。

天体と天体が重なるように見えるコンジャンクションは、アスペクトの中でも最も影響力があります。天体と天体のパワーが重なりますから、当然といえば当然ですね。

ところで、アスペクトを考える時にはオーブに気をつけなければいけません。オーブというのは「角度の許容範囲」のこと。例えば、スクエアという90度のアスペクトを考える時、天体と天体がぴったり90度でなくても、85度から95度までなら、スクエアと考えるわけです。この場合はオーブは5度です。

しかし、この角度の許容範囲が小さければ小さいほど、アスペクトは強力になります。なので、事件当日、天王星と冥王星が乙女座16度でぴったり0度のコンジャンクションを作っていたというのは、大きな意味があります。

しかも、天王星と冥王星の組み合わせも、とても強力です。天王星と冥王星は海王星とともに、時代を作る天体で、天王星は変革の天体、冥王星は死と再生、大変容を示します。このどちらかが、トランジットで出生時のホロスコープの天体に重なったり、90度、180度などの強いアスペクトを形成する時には、人生の大きな転換期を迎えるといわれます。

単独でも大きな影響をもたらす天王星と冥王星その2つがが重なるコンジャンクションとは、最も影響力が大きく、最も破滅的なアスペクトともいわれます。変革と死と再生、有無をいわせぬ根こそぎの大変容が重なるわけですから…。

こんな凄まじい天王星と冥王星のコンジャンクションが、トランジットで自分の出生時のホロスコープの天体に重なったり、アスペクトを作る時は、思いもよらない出来事が起きて、人生が大きく変わるような経験する可能性が強いといえます。今まで築き上げてきたものが全て崩れ落ちてしまうような経験をするかもしれません。

しかし、ご心配は無用です。天王星と冥王星のコンジャンクションは滅多に起きません。次回は2102年に牡牛座で起こりますが、まだまだずっと先のことです!

世代的なアスペクト

袴田さんが巻き込まれた事件が起きた1960年代半ばは、このとても珍しいパワフルな天王星と冥王星のコンジャンクションが起きていたわけですが、これは世代的なアスペクトです。

この頃生まれた方のホロスコープには、このアスペクトがあります。私もその1人です。

天王星と冥王星のコンジャンクションを持つ世代は、乙女座的な事を徹底的に変革、破壊し新しいものを創りあげようとする世代になります。乙女座的な事・・・勤労や奉仕。いわれてみれば、この世代が社会人となって以降、年功序列、終身雇用などの概念も徐々に書きかわっていったように思います。

最強のトランジットアスペクトが、Tスクエアを活性化!

さて、話を袴田さんにもどします。

この最強の天王星と冥王星のコンジャンクションが形成されていた事件当日の星の配置を、袴田さんの出生時のホロスコープに重ねた時、思わずどきっとしました。このコンジャンクションが、袴田さんの出生時の海王星に重なっていたからです。

トランジットの天王星と冥王星が乙女座16度で袴田さんの海王星は乙女座15度。たった1度の差です。

しかも、この天王星と冥王星のコンジャンクションは、事件の起きる2年前くらいから、袴田さんの海王星にプレッシャーを与え始めていました。その後、天王星と冥王星は逆行を繰り返しながら、どんどん袴田さんの海王星に近づいていき、事件の起きる前の月、5月の初めから6月24日(事件の一週間前)までは、袴田さんの海王星の乙女座15度と、ぴったり重なっていました。

実は袴田さんにとって海王星は、とても重要な天体です

袴田さんは、太陽が魚座のいわゆる魚座の方。魚座の守護星は海王星と木星の2つ。その人にとって自分の太陽星座の守護星は大切な意味を持ちます。

更に、袴田さんの海王星は、袴田さんのホロスコープで「Tスクエア」という複合アスペクトを形成する天体の1つ。そのため、トランジットの天王星と冥王星のコンジャンクションは 袴田さんの海王星のみならず、Tスクエア全体にも大きく関わってきます。

Tスクエアの一角を作る、袴田さんの出生時の太陽と土星のコンジャンクションは、トランジットの天王星と冥王星のコンジャンクションとは180度という緊張の関係Tスクエアの頂点の木星とは葛藤の90度。しかも、この木星は、やはり魚座の守護星の1つ。

これだけでも、袴田さんの人生に、トランジットの天王星と冥王星のコンジャンクションが与える影響はとてつもなく大きいことがわかります。

そして、Tスクエアというのは人生における困難や試練を示すアスペクトです。

前の記事に、袴田さんのTスクエアの特徴については書いたのですが、ざっとまとめると次の通りです。

袴田さんのTスクエアについて

袴田さんのTスクエアは、木星を頂点として、底辺の2角に太陽と土星のコンジャンクションと、海王星がくる、直角2等辺三角形です。このTスクエアには次のような特徴があります。

*魂の欲求の太陽と制限の土星が0度、コンジャンクション
*コンジャンクションの太陽と土星が夢や夢想の海王星と客観視・緊張の180度
*発展・楽観の木星が、太陽と土星、海王星と葛藤の90度
*柔軟宮のTスクエア

まとめると…魂の欲求を表す太陽と制限の土星が重なり、人生の目的を実現することに制限が加わる暗示。そこに、夢想の海王星が客観視の関係。

死刑囚として収監された袴田さんが、死への恐怖と闘い、自分の意識(太陽)を守る為、あえて夢想の世界に自分を閉じ込めた。(袴田さんは収監後、精神の病を発症され、現在も意思疎通がままならない状態です。)

また、楽観の木星が自己を表す太陽、責任を表す土星、共感性を表す海王星とそれぞれ90度の葛藤の角度。人がよすぎたりという傾向がおありで、警察からすると罪を着せるのに好都合な方だったのかもしれません。(冤罪だと仮定して)

このTスクエアは、柔軟性を表すサインで形成、優柔不断な傾向を生み出します。もしかしたら、警察の取り調べの中で、曖昧なお答えをされたりすることがあったのでしょうか? それを警察が無理に自分たちにとって都合のいい供述と受け取ったのでしょうか?

このTスクエアに、トランジットの天王星と冥王星のコンジャンクションが関わることで、Tスクエアが暗示する「試練」が活性化された…そんな気がします

大変革&死と再生の天王星と冥王星のパワーが、自由を制限され、夢の世界に逃げざるを得ない困難な状況を示すTスクエアのスイッチを押してしまった・・・。。いわば、トランジットの天王星と冥王星が、トリガーとなった…。そんな風に見えます。

また興味深いのは、このTスクエアの活性化に関わるのは、太陽以外は、社会や時代を作る天体であるということ。太陽、土星、木星、海王星、天王星、冥王星。このTスクエアが活性化された背景に、社会や時代の動きも関わる…そんな印象も持ちます。

また、木星~冥王星という公転周期の長い天体が関わり、このTスクエアの活性化が時代にまたがり影響が長く続く・・・そんなイメージも持ちました。昭和、平成、令和…。時代をまたいで今もなお続く試練・・・。

また、何より、海王星は物事がぼやけあやふやになっていくことを示します。このあやふやさは、袴田さんの心の状態、死刑囚ではあったけれど冤罪の可能性いわれつづけた、非常に不安定な状況を表わしているようにも感じます。

サビアンシンボルからのメッセージ

乙女座16度

さて、袴田さんのホロスコープに大きな影響を与えた、事件当時の天王星と冥王星の乙女座16度のコンジャンクションですが、乙女座16度のサビアンシンボルとはいったい何だったのでしょうか。そこからも、このコンジャンクションの持つ意味がわかります。

そして、乙女座16度に対応するサビアンシンボルは…

「噴火している火山」(A volcano in eruption.)でした!

はっとさせられるメッセージです。

マグマが噴き出す火山噴火、・・・これは360個のサビアンシンボルの中でもものすごく強いメッセージの1つです。そして、大変革と死と再生の天王星・冥王星のコンジャンクションにまさにぴったりなメッセージ。宇宙からの、何もかも焼き尽くそうとする意志が感じられます。袴田さんのこれまで築き上げてきた暮らし・人生を焼き尽くす・・・そんなイメージです。

乙女座15度

そして、トランジットの「噴火している火山」のようなパワーを持つ天王星と冥王星のコンジャンクションが影響を及ぼした袴田さんの海王星は乙女座15度でした。これに対応するサビアンシンボルは「オランウータン」(An orangutan.)

元来乙女座はとても几帳面で清潔な状態が命。けれど、オランウータンは野生の存在。清潔で行き届いた環境で生きている訳ではありません。つまり、オランウータンの住む野生の森にいきなり放り出されるようなことが起きる暗示があります。また、野生=本来の自分と向き合うという意味もあります。

このサビアンシンボルも、自由に好きなことができる場所から刑務所という衣食住最低限の生活を送らざるをえない場所で暮らすことになった袴田さんの人生を象徴しているようにも思えます。

まとめ

以上、袴田さんのネイタルのホロスコープに、トランジットの天王星と冥王星のコンジャンクションが大きな影響を与えたのが読み取れました。

あらためて、トランジット天体、とくに天王星や冥王星の影響は大きいと感じました。

しかも、天王星と冥王星のコンジャンクションも完全にぴったり、このコンジャンクションとネイタルの海王星もほぼぴったり。

これは個人の力で何とかできるものではありませんね

では、、こういう厳しい運命をお持ちの袴田さんのお生まれになった意味とは何なのでしょうか?

ホロスコープは、単に試練を教えてくれるものではありません。試練が暗示されていたとしても、その試練には意味があり、ホロスコープには希望の種があるのです。それこそが、ホロスコープを活用する最も大切な意味だと思います。

次回は、袴田さんの人生の本当の目的、そしてホロスコープが伝えてくれる希望とは何か、見てみたいと思います。

お読みくださり、ありがとうございました。

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