2022年海王星の逆行と『安政の大獄』、そして安倍さんのこと

ジオ占星術

2022年7月8日のこと

おそらく、多くの方が2022年7月8日、大きなショックを受けられたのではないでしょうか。

安倍元首相が、銃撃されお亡くなりになったという事実に。

現行犯で逮捕された男性は、自分が憎む、ある特定のグループと安倍さんが関係があるので、殺すしかないと思ったと話しているそうです。この男性は、自作の銃を作り、何ヶ月も前から計画を練っていたとか。

この男性の中で、いつそのグループや安倍さんに対して憎しみや怒りが生まれたのかはわかりません。しかし、ある瞬間に、安倍さんを殺害するというストーリーが生まれたのですね。自分が、敵である安倍さんを暗殺し、物語のヒーローになるという。

その男性の物語が、単に妄想で終わっていたら、悲劇は起こらなかったのではないか…。

そう考えた時、ちょっと前に「今年の海王星の逆行」に関して、調べていたある事を思い出しました。記事を書こうと思って調べていたのです。

でも、海王星の記事より先に「今年の冥王星の逆行の影響を受けやすいお誕生日の方」「今年の土星の逆行について」を仕上げよう(遅い!!)と暢気に考えていたのです…。しかし、今、その「海王星の逆行について」書かずにはおれない気持ちになり、こうして書いている次第です。おつきあい頂ければ、幸いです。

2022年 海王星の逆行

さて、先月6月28日に海王星は逆行を開始しました。12月4日まで続きます。

海王星は、地球から遠く離れていて、公転周期も約165年。地球から見ると動きはとてもゆっくりです。1つのサインに約14年滞在します。

そして、海王星は毎年5ヶ月ほど逆行するのですが、2012年から2025年までは魚座に滞在しており、この間は毎年魚座で逆行します。

海王星は魚座の支配星なので、魚座に滞在するとき最もパワフルになります。そのため海王星が魚座で逆行する時も、逆行の影響が強く出ると言えます。

どの天体が逆行する時も、振り返り・点検の時期と言われますが、海王星の逆行時には、自分の夢や理想と、社会の現状との矛盾や違いと折り合いをつけていくことが必要になるとも言われます。

そこで、過去、今年の海王星の逆行度数である魚座22度から25度を、海王星が行き来していた時代いつかということと、その時世の中では何が起きていたのかということをチェックしていたのです。

1858年~1859年 『安政の大獄』は拡がった夢のもつれ合い

調べたところ、前回海王星が魚座22度から25度を行き来していたのは、今から164年前、1858年から1859年にかけてだったことがわかりました。江戸時代末期ですね。

けれど、日本史をほとんど覚えていない私(お恥ずかしい)には、この年代だけ聞いても何もピンときませんでした。

ところが、調べたところ、はっとさせられたのです。

『安政の大獄』

聞き覚えのある言葉でした。

コトバンクに概要がまとめられていたのが次のものです。出典は 旺文社日本史事典 三訂版です

安政の大獄 あんせいのたいごく

1858(安政5)年から翌年にかけて,大老井伊直弼 (なおすけ) が反対派に加えた大弾圧

井伊が勅許を得ずに日米修好通商条約に調印し,将軍継嗣問題では紀伊藩主徳川慶福 (よしとみ) を継嗣に決定するなどの専断を行ったので,一橋派・尊攘派の反対運動が激化した。井伊は公卿・大名・志士ら100余名に弾圧を加えた。この大獄は討幕の気運を高め,井伊は1860年桜田門外の変で暗殺された。

1858(安政5)年、日米修好通商条約が調印され、225年続いた鎖国が終わりました。しかし、これは井伊直弼が天皇の許可を得ず勝手に行ったので、反発する人も多かったのです。

これに将軍の跡継ぎ問題も絡んで、井伊直弼や幕府に対する反対運動があちこちで起こりました。そういう人達に井伊直弼は徹底的に弾圧を加えたのです。

多くの公卿や大名を隠退させ、志士を捕え、処罰しました。切腹・死罪・獄門となった人達の中には吉田松陰もいました。

西郷隆盛も直接は関係ありませんでしたが、月照という知り合いのお坊さん(朝廷中心の政治を行うべきだという尊王攘夷論者)が処罰されそうになり、月照とともに入水自殺を試みましたが、西郷隆盛だけ助かったそうです。

結局、1860年に井伊直弼は桜田門外の変で、水戸・薩摩の浪士らによって殺害されます。そして、それ以降、幕府の権威が急激に衰え、1867年の大政奉還にいたるわけです。

井伊直弼さん、何だか血も涙もない冷酷な人・・・という印象ではないでしょうか。

でも、もしかしたら彼も彼なりに、鎖国に固執していては諸外国に武力でねじ伏せられてしまうと考え、日本を守るための彼なりの行動だったのかもしれません。もっと良い方法もあったのでは?とも感じてしまいますが、彼も必死だったのだと思います。

そして、必死だったのは彼だけではありません。江戸末期、本当に多くの人が「日本」という国を守るため、様々な立場で大きな夢や未来図を描いていたように思います。

このパワーは、やはり夢を描く海王星が、本拠地魚座に滞在する影響の一つだったように感じます。

そして海王星が逆行する期間は、多くの人の夢や希望が、混じり合い、もつれ合って、不穏な状況になる事ある…。

1858年9月に安政の大獄が始まったときも、海王星は魚座24から22度へ逆行している最中でした。(今年の逆行は魚座25度から22度

ところで、この魚座22度から25度というのは、どういう意味を持つ度数なのでしょうか。

今年の海王星の逆行度数の意味

魚座の22度から25度というのは、松村潔先生の『愛蔵版 サビアン占星術』によれば、『超ヒューマニズムの姿勢が明確化する』グループだそうです。

個別に度数毎のサビアンシンボルを見ていきましょう。

魚座22度に対応するサビアンシンボル「精神主義的な現象」…考えてきたことを実践していく
魚座23度 に対応するサビアンシンボル「人の住んでいる島」…自分の世界を確立していく
魚座24度 に対応するサビアンシンボル「聖職の浄化」…現実にも目を向け周囲にも配慮する
魚座25度 に対応するサビアンシンボル「影響を分割する新月」…自分の内面を今一度見つめ直す

魚座22から25度の流れは、いわば「自分の夢や理想を具体的に実践し、居心地のよい環境を自分で整えていく。ただ、現実問題にも気を配り、周囲への配慮も忘れぬよう行動する。そして、もう一度、自分の信念や生き方を見つめ直す」というもの。

海王星の逆行では、一般的に自分の気持ちが曖昧になったり、夢がどんどん広がりすぎたりして、収拾がつかなくなりがちと言われます。今回の逆行の度数の意味を考えると、特に今年の逆行期間はその傾向が大きくなりそうです。

逆行期間は、振り返りや点検の時期。今年の海王星の逆行中は、「自分の理想を追い求めるのに一生懸命なりすぎて、周りの人の気持ちや状況にも配慮するのを忘れてはいないか」「自分の信じること・やろうとしていることが客観的に見たらどうか、チェックするのを忘れてはいないか」…といったことを気をつけたいですね。

自分ではよかれと思うことが、単なる思い込みでしかない場合もあり得るのです。

けれど、自分の夢に酔ってしまうと、客観的な視点を持つことができなくなってしまう…。

今回の安倍さんの事件でも、容疑者の男性は自分の考え・夢に酔っていたのではないでしょうか?

男性の周りに、そんな夢から目覚めさせてくれる人がいなかったのも、とても残念です。

こんな時だからいい夢を見よう♪

コロナもなかなかすっきり終わりにならず、ロシア・ウクライナの紛争、物価上昇、あちこちで続く地震、そして安倍さんの事件。

本当に気持ちが追いつかないです。

でも、こんな時こそ、いい夢を見たいものです!

まずは小さな夢から♪

明日、見たい映画を見る。

来週末、ヘアサロンに行く。

来月、日帰り温泉に行く。

何でもいいです。まずは、現実的に叶えられるものを着実に現実化! 

そして、大きな夢に向かっては、ちょっとずつ準備

道具を揃え始める。

仲間を見つける。

知識を増やす。

技術を少しずつ磨く・・・。

夢が広がりすぎて、ふわふわ地に足がついていないと感じたら、要注意!

気持ちを落ち着け、しっかり自分の中心が地球の中心と繋がっているのをイメージしてみてくださいね。

ところで、1858年には、ペリーが日本に連れてきたアメリカ船・ミシシッピ号の船員から、日本にコレラが広まりました。江戸でも3万人の人がなくなったそうです。拡げるパワーのある海王星が本拠地魚座にある時には、感染症も広がりやすいのかもしれませんね。

けれど、1858年には、福沢諭吉が蘭学所を開いたり、オランダ語よりこれからは英語を学ぶべきだと英語の重要性をいち早く察知して勉強を始めたり、新たな夢を持って行動に移す人達が現れた時代でもあります。

きっと現在の海王星魚座時代にも、私達の気づかないところで、新しい時代を創ろうとする人達が夢に向かって動き始めているのではないでしょうか。貴方もその一人かもしれません!!!

不安定な時代。でも、こんな時だからこそ、夢や希望を持ちたいです。

小さな夢をまず沢山実現させて、もっと大きな夢を将来形にするための力を養っておきたいですね♪

読んでくださり、ありがとうございました。

これからもっと暑くなると思います。どうか体調に気をつけてお過ごしくださいね。

最後に、安倍元首相のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 by senju

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