気になるあの方:迷走中?イギリス王室 ヘンリー王子の星を読む~その2~

「気になるあの方」を読む

ヘンリー王子の運命の輪を回し続ける「月」

前回は、ホロスコープから感じられる、ヘンリー王子の心にあいた穴について書きました。

1、2、7ハウスの、天体が何も入らない大きな空間が、まるで王子の心の中にある大きな空洞のようだとお話しました。

今回は、王子の「月」に焦点をあてて、ホロスコープを見ていきたいと思います。

王子のホロスコープを見て、ハウスの大きさのいびつさ、大きな1、2、7ハウスの空洞がまず目についたのですが、ぽつんと1つだけ離れた「月」も、非常に特徴的です。

この月が、王子の心を操る・・・とまではいいませんが、王子を突き動かしているように思います。

ところで、ヘンリー王子の基本的なお人柄はどうでしょうか。

まずは、王子がどんな方なのか、ざっと見ていきたいと思います。

地のエネルギーがかなり強い、コツコツ生真面目なお人柄

ヘンリー王子のホロスコープを見て、意外だったのは、コツコツ地道な努力で目標を達成しようとする、地のエネルギーが非常に強い方だったということです。

ダイアナ元妃が生前、お兄さんではなくヘンリー王子のほうが何かしでかすのじゃないかと心配していらしたというエピソードがあったり、もっとお若い頃、王子のヌードがゴシップ誌に掲載されたりしたことがあったので、ちょっとやんちゃで自由奔放なイメージがありました。

また、結婚後、王室を離れるという大胆なこともなさったので、勝手に、革新的エネルギーの強い風の性質がお強いのではないかと想像していたのですが、全く逆でした!

風のエネルギーはとても小さく、圧倒的に地のエネルギーがお強い方。

というのも、太陽が乙女座、月が牡牛座、アセンダントが山羊座と、重要な部分が全て地のサインにあるからです。

太陽が乙女座なので、奔放とは正反対、物事をきっちり管理し、完璧さを自分にも他人にも求める生真面目な方なのだと思います。

月が牡牛座ということからは、基本的に温厚な性質ですが、頑固な面もおありだとわかります。

第一印象や無意識に取る行動を表わすアセンダントは山羊座。
つまり、義務や責任を果たすことを重要視し、誠実で丁寧な物腰の方という印象です。

けれど、自分の本心を明かすことはあまりないでしょう。

一方、エネルギーの動かし方を見る3区分では、活動宮も不動宮も柔軟宮も同じくらいの強さ。ただ自分で物事をスタートさせるよりも、状況に自分をあわせて動く方がややお得意です。

ホロスコープを上下で半分に分けたときは、上半分に天体が集中
社会で認められることが重要な人生のポイントだとわかります。

また、左右半分に分けたときには、太陽や月という重要な天体を含め、右半分に天体が多くあります。なので、人との関係を通して、自分を表現していく方です。

netflixでドキュメンタリーを制作したり、書籍を出版したりして、社会的に自分のことが話題になったり、世の中の人に関心をもってもらうことが、王子にはとても重要なことなのでしょうね。

ところで地は、伝統や権威を重んじる要素が強い性質。その地のエネルギーを強くお持ちなのに、今や、王子はあたかも英王室の伝統や権威を壊そうとしていらっしゃるようにも思えます。

それは一体なぜでしょうか?

その答えを握っているのが、王子の「月」なのです。

王子の運命を握る「月」

シングルトンとバケット型

王子のホロスコープで、月はたった1つだけ下半球に存在しています。

こういう、1つだけ他の天体からぽつんと離れた天体を、「シングルトン」と呼びます。

他の9個の天体はちょうど月と正反対のところに、ぎゅっとくっついて集まっています。

9個の天体はまるで、かごのような形で並んでいます。

そして、月は、そのかごの持ち手のようです。

このかごと持ち手のような天体の配置は、バケット型といわれ、持ち手にあたる天体に、他の天体のエネルギーが注ぎ込まれるとも、持ち手の天体が他の天体全てを引っ張っているとも言われます。
一般的にバケット型を持つ人は、例え周囲の人と対立しても、自分の目的のために迷わず前進することが多いといわれます。

持ち手の天体は、その人が何にこだわった人生を送るのかも示します。
逆に言うと、こだわらざるを得ないか、です。
無意識のうちにこだわってしまうこと。
人によっては、生きる理由の象徴にもなります。

このように、シングルトンの天体は、大きな意味を持つのです。

そして、特にヘンリー王子の場合、シングルトンの月が、王子の運命を握っているとも言えるのです。

なぜか?

王子の月はシングルトンということに加え、4ハウスにあってICにぴったり寄り添っているからです。ですから、この月が王子の人生に与える影響は何倍も重くなります。

ICと月

ICというのは、ホロスコープの4ハウスの始まるところ。

4ハウスは、家族を表わします。

王子の月は、4ハウスにあります。

4ハウスの月は、不安定な幼少期やとても強い家族愛を意味します。

11歳でお母さんのダイアナ元妃をなくした王子の幼少期は不安定なものだったのは想像に難くありません。また、現在の家族、メーガンさんとお子さん達を守りたいという、家族への強い思いも納得できる月の配置です。

そして、重要なのはこの月が、ICのすぐ傍にあるということ。

ICは自分の根っこを表わす、とても大切な部分
その人を見えない部分で支配している潜在意識
自分のインナーチャイルド、コンプレックスなどもここに示されています。
けれど、そのインナーチャイルドをいやし、コンプレックスを克服することで、自分軸がしっかり定まるので、ICを安定させることが人生を切り開く大事なポイントともいえます。

王子のICは牡牛座なのですが、ICが牡牛座の人は、所有欲求が強い特徴があります。

気に入ったものに囲まれ、豊かに暮らしたいという気持ちが根っこにあり、ないものねだりすることも。

自分が与えられたものに決して満足できない傾向もあります。
いつも満たされていないという思い。
自分は「スペア」という、お兄さんに対するコンプレックスに似た思い。

「スペア」にも書かれている、お兄さんの部屋のほうが自分の部屋より大きかった、お兄さん夫妻の家の方が立派だったといった不満の内容からも、そうした傾向を感じます。

そして、このICの傍に、感情や無意識表わす重要な天体、月がぴったりくっついているのです。

ICに月が寄り添う人は、子供の頃の感情にひきずられやすい傾向があるといわれます。

そして、月には、女性を表わす意味もあり、母親や妻を表わします。

つまり、ヘンリー王子の潜在意識には、子供の頃の感情やお母さんであるダイアナ元妃の存在がずっとある・・・。
もちろん、誰でも子供の頃の感情や親のことを忘れたりはしないでしょう。
ただ、シングルトンでICに寄り添う王子の月からは、その程度が、他の人よりずっと強いと考えられるのです。

ちなみに、ヘンリー王子の月は牡牛座の21度。
サビアンシンボルは「荒れた水の上を飛ぶ白いハト」

この白いハトは、幼かった頃の王子自身かもしれません。

不安な状況の中、自分はどうすべきかどこに行くべきなのか、答えを見つけようとさまよう姿。

お母さんを失ってから、心が落ち着ける場所をずっと求めてさまよってきたヘンリー王子のイメージに重なります。

「妻を母のように(メディアの犠牲者に)させたくない」と、何かとお母様のことを持ち出してお話をされることが多い王子。

「もうそれしか話すことがないのか」と一部言われたりされていますが、王子自身この月(自分の幼少時の感情・トラウマ・お母様の存在)にとらわれすぎていて、逃れられなくなっているようにも思えます。

さて、王子の月ですが、もう一つ重要な特徴があります。
1つだけぽつんと離れた場所にある「月」ですが、180度の真向かいに、土星があるのです。

土星と向き合う月

この土星は、ぎゅっとくっついて並ぶ9個の天体の丁度真ん中の位置。
その位置から、持ち手である月と向き合っています。

月と土星が180度の角度を持つ人は、ネガティブな感情を持ちやすい傾向があるといわれます。

王子の、自分は「スペア」だという思い、お母さんがメディアの犠牲になったという思い、奥さんが差別を受けたという思い・・・。

全てがネガティブな思い、自分たちは被害者だという思いに、行き着いてしまうのは、この土星と月の関係が影響しているからではないでしょうか

月」に突き動かされて、感情のおもむくままに行動してしまっている・・・。

王室批判を繰り返す一方で、「父や兄とよい関係を作り直したい。家族を取り戻したい」という、矛盾と思えるような言葉を発信する王子の姿は、痛々しくもあり、滑稽と感じる人もいるでしょう。

ドラゴンヘッドからのメッセージ

が、王子の月と同じ4ハウスに、ドラゴンヘッドがあります。

ドラゴンヘッドが示すのは、今世で取り組むべきこと

それに取り組んだとき、未来が開けるヒントでもあります。

このドラゴンヘッドは牡牛座でもあります。

牡牛座で4ハウスのドラゴンヘッドが伝えてくれる、王子への幸せな未来へのヒントは次の通り。

まず自分自身に目を向けて、自分の豊かさ・自分の宝物を認識すること。

そして、自分の弱さも相手の弱さも受けいれ、それでもお互いに理解し合えることに気がつくこと。

このドラゴンヘッドのアドバイスが、王子に届くといいのですが!

まとめ

ICと寄り添うシングルトンの月に降り回されて生きてしまっているように見えるヘンリー王子。

大切な奥さんとお子さんを守ろうとするのはいいのですが、お父さんやお兄さんとの関係を壊さずに、もっとソフトに行動できたらよかったのでは・・・と思ってしまいます。

が、それほど、「月」の呪縛が大きいということでしょうか。

メーガンさんとの結婚が、その「月」のスイッチを押してしまったのかもしれません。

機会があれば、メーガンさんとの結婚について、星読み的に考察したいと思います。

長い記事を、読んでくださり、ありがとうございました。

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