亡くなった方の想い①:亡くなった弟からお嫁さんへのラブレター

亡くなった方の想い

亡くなった弟の想いを知りたい

大切な人が亡くなったとき、いろいろな思いが生まれます。

楽しい思い出、悲しい思い出、そしてもっとああしてあげればよかった、もっと優しくしてあげればよかったというような後悔。

2年前、弟が亡くなったときもそうでした。生まれた時から身体が弱く、幼い頃も大きな病で入院。でも、弟と1歳4ヶ月しか違わない私は、まだ幼稚園生で、事情がわからず、両親が弟の病院につきっきりでとにかく寂しかった記憶があります。もちろんおばあちゃんの家で預かってもらったり、ほおっておかれたわけではないのですが、弟の病室にお見舞いに行くと、仮面ライダーやおもちゃが沢山置いてあって、弟ばっかりずるいなーと思った覚えがあります。

その後、退院してからも、やっぱり弟はなんとなく家族の間でも特別待遇な感じがあり、弟や弟を大事にする親、特に母親に複雑な思いを感じていました。なので、けっこう弟に対して冷たいひどい姉でした。

お互い、社会人になってからは、かなり関係も修復できたようには思いますが、小さい頃、もっとかわいがってやればよかったなあとか、優しく一緒に遊んでやればよかったなあとか、そういう思いはずっと抱いていました。

弟がかわいいお嫁さんと結婚したときは、本当に嬉しかったです。その頃はまだ心臓の病気だけだったのですが、病気をかかえた息子にかわいいお嫁さんがきてくれたと、母だけでなく父までも披露宴で号泣したので、恥ずかしかったです。新婦のお父さんではなく、新郎の父が号泣ですから!

が、その結婚から数年後、弟に希少がんが見つかり、更に苦しく長い闘病生活が始まりました。心臓の病だけでも、障害者手帳を交付してもらっていたのに。子供もまだ生まれたばかりで、人生これからというときだったのに。

弟の傍に住んでいた私の両親や妹が、できる限り、弟や弟の家族をサポートしてきました。けれど、もちろん一番大変だったのはお嫁さんです。幼い子の育児、自分も仕事をかかえ、そんな状況で、肉体だけでなく精神的にも不安定になる夫を支えるのは並大抵のことではなかったと思います。

けれど、弟もよく頑張りました。最初の手術から約20年、闘い続けました。6度の手術、ラジオ波、温熱療法、化学療法、丸山ワクチン、投薬治療・・・。学会でも、弟の症例が紹介されることもあったそうです。そして、2年前、大好きなお嫁さんの腕の中で、骨と皮だけになり、お腹には最後の手術跡がふさがらずに黒い穴になったまま、旅立ちました。

みんな、泣きました。

そして、私たちはお嫁さんに感謝しました。本当に長い間、よく頑張って面倒を見てくれたこと。最期までずっと一緒にいてくれたこと。(時に、自分の病気に苛立った弟がお嫁さんに八つ当たりすることがあったので、お嫁さんが愛想をつかして出て行ってしまうのではないかと、危惧したことも正直ありました。)

やがて、無事葬儀やいろいろなことが一段落したあと、お嫁さんがぽつりと言いました。「もっと、いろんなことをしてあげられたんじゃないのか・・・。私でなく、ちがう人が奥さんだったら、もっと○○さんも(弟の名前)優しくしてもらえたんじゃないか・・・。そんなふうに思ったりしちゃうんです・・・」と。

そのとき、思ったのです。

弟は最期、どんな想いを抱いて旅だったのか。

そして、ふと思いついたのです。弟が亡くなった時のホロスコープを作ることを。

どうしてかというと、この世を旅立つというのは、新しい魂の世界に誕生することでもあると思ったからです。つまり、弟が亡くなった日=弟の新しい誕生日

そして、弟の新しい誕生日のホロスコープの中に、弟の想いを知るヒントがあるのではないか、そう考えたからです。

亡くなった日は、新しい誕生日

これが弟が亡くなった時、弟の新しい誕生の時(時刻もわかっています)のホロスコープです。

左のACがアセンダントのポイント。アセンダントの上に月、下にドラゴンヘッド。ドラゴンテイルは、ドラゴンヘッドの正反対に位置する。

ぱっと見た瞬間、思わず涙が出そうになりました。

ああ、これは弟からお嫁さんへのラブレターだと、そう感じたからです。

月が示すもの

ASC(アセンダント)の上に輝く月。

月は女性を表します。まさに、この月は大好きなお嫁さんのこと。すぐピンときました。大恋愛で結ばれた、かわいい大好きなお嫁さん。 

アセンダントは、ホロスコープでもとっても重要なポイント。スタート・始まりのポイント。そこに、月が乗っているのです。弟が新しい世界へ旅立つとき、お嫁さんも大切に大切に自分の胸にだきかかえてとんでいったかのような、印象を受けました。

絶対はなしたくなかったお嫁さんの手、お嫁さんとの思い出。弟にとって、最期の最期までお嫁さんは、かけがえのない人だったのです。

ドラゴンテイルが示すもの

また、もうひとつ注目したのはドラゴンテイルの位置です。

太陽と月の軌道の交差する点2つをドラゴンポイントといいます。上昇してくる点をドラゴンヘッド、下降してくる点をドラゴンテイルといいます。ドラゴンポイントにはいろいろな意味があるのですが、そのひとつにドラゴンヘッドは「この人生で取り組むとよい事柄やテーマ」を表し、ドラゴンテイルは「前世で取り組んできたことやテーマ」を表すというものがあります。それを活用すると、その方が亡くなったときのホロスコープのドラゴンテイルが示すものは、その方が「今生で十分やり尽くしたこと、後悔のないこと」と言えると思うのです。

弟の亡くなった時のホロスコープのドラゴンテイルは、山羊座7ハウス7ハウスは、結婚とパートナーや対人関係などを表します。つまり、弟は、「自分の結婚生活について悔いがない」と読むことができます。また、山羊座のドラゴンテイルですから、家長として、責任を持って結婚生活に取り組んだともいえます。確かに、病と壮絶な闘いを続けながら、彼は必死で自分の家族を大切にしようとしていました。

弟がお嫁さんに伝えたかった想い

俺は君と結婚できて本当に幸せだった。俺の結婚生活に悔いはない。これからも、君のこと、君との思い出をずっと大切にする。ありがとう」

弟が亡くなったときのホロスコープからは、お嫁さんに対するあたたかい感謝と愛情が伝わってきました。生きている間は、照れくさくて自分の気持ちを素直に伝えることができなかった弟ですが、こうして星からのメッセージにたくして、自分の気持ちを伝えたかったのかもしれません。

ただ、押しつけになると嫌だったので、しばらくは義妹にこのホロスコープや弟のメッセージは伝えませんでした。が、あるときなんとなく弟からせかされた気がして、思いきって伝えてみました。義妹は、驚きながらも「本当に、○○さん(弟の名前)がそう思ってくれていたら嬉しいな」と言って、ホロスコープ、星のラブレターを受け取ってくれました。天の弟も「伝えてくれてありがとう!」と笑ってくれた気がした瞬間でした。

・・・「亡くなった方の思いをホロスコープが教えてくれる」、そんな1つの例でした。

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