最近話題の英王室のヘンリー王子。
最近出版された「スペア」では、お兄さんとの喧嘩や、義姉ケイトさんと奥さんのメーガンさんとのトラブルのことなど、プライベートな内容がいろいろ書かれているようです。
本の売れ行きは素晴らしいようですが、逆にヘンリー夫妻の好感度は、イギリスのみならず、アメリカでも急降下との調査結果が!
1997年、ダイアナ元妃の葬儀で、まだ幼いヘンリー王子がお兄さんのウィリアム王子と並んで歩く姿はとても痛々しくて、見ていて胸がつまるものがありました。今でもはっきり覚えています。
当時、多くの人が、二人の王子の幸せを願ったことと思います。ふたり仲良く、お互いに助け合って生きていってほしいとも・・・。
それなのに、なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。
ヘンリー王子のホロスコープからは、いったいどんな星の定めが見えてくるのでしょう?
王子のホロスコープを読み解いてみることにしました。
すると・・・なるほどと思わされる星のメッセージや、逆に意外な王子の側面などが浮かびあがってきました。
少し長くなりそうなので、次の内容で、2回にわけて、ヘンリー王子のホロスコープについて、書いてみたいと思います。
1:ヘンリー王子の心の穴
2:ヘンリー王子の運命の輪を回し続ける「月」
(別の機会にヘンリー王子を突き動かす、星の導き、進行の月についても)
今回はまず、「1:ヘンリー王子の心の穴」についてです。
ヘンリー王子の心の中にぽっかり空いた、大きな穴
ヘンリー王子のホロスコープを見て、まず目につくのは、ハウスと呼ばれる空間の大きさの不均衡です。ハウスの大きさに、かなり違いがあります。(ただ、向き合うハウスの大きさは同じになります。例えば、1ハウスと7ハウスは向き合っているので同じ大きさです。)。
ハウスというのは、円形のホロスコープを12個に区切った空間のこと。
生まれた瞬間の東の地平線と、太陽の通り道である黄道が交わるアセンダントと呼ばれるところから、この黄道を12に分割したものです。
この区切り方にはいろいろありますが、一般的によく使われているプラシーダス方式は、時間経過を反映させたもの。ただ、緯度が高い地域では、ハウスの大きさが極端になりやすいという特徴があります。
なので、私はレジオモンタナスという、空間の座標計算を基準にした方式を使うこともあります。
特に、出生地が高緯度の地域の方のホロスコープを作るときは、レジオモンタナス方式を使います。
今回のヘンリー王子も、お生まれになったのはロンドン、北緯51度。高緯度の地域のお生まれ。
なので、レジオモンタナス方式で、ホロスコープを作成しました。
なお、プラシーダスやレジオモンタナス方式では、出生時刻・場所が不明の場合はハウスを割り出すことはできません。
さて、ハウスですが、1ハウスから12ハウスまで、全部で12個あります。
この12という数字にひっぱられて、12サイン(星座)と混同される場合もあるのですが、ハウスとサインはちがいます。
12個のハウスは、それぞれ特定の分野を表わし、そこに天体が入っている場合、その天体がその分野で力を発揮することになります。
例えば、1ハウスはその人そのものを表わし、個性や容姿をつかさどります。
そこに、生命力溢れる太陽があるなら、個性という分野で太陽が力を発揮するので、「元気で生命力溢れる個性の持ち主」と読むことができます。
そして、この12個のハウスの大きさというのは、均等ではありません。(ただ、ハウスの分割方式によっては、12ハウスを30度ずつに分けるものもあります。)
さて、これがヘンリー王子のホロスコープです。
1984年9月15日 16時20分生まれ ロンドンにて

例えば、ヘンリー王子の場合、1ハウスは48度分の大きさがあり(1ハウスの始まりから2ハウスの始まりまでの空間)、4ハウスは15度分(4ハウスの始まりから5ハウスの始まりまでの空間)しかありません。1ハウスの大きさは、4ハウスの何と3倍以上! 大きな違いです。
このように、ヘンリー王子のホロスコープの中で、1ハウス・2ハウス、7ハウス・8ハウスの大きさは突出しています。逆に4ハウス・5ハウス・10ハウス・11ハウスはとても小さいのです。
基本的には、ホロスコープを読む時に、ハウスの大きさに目を向けることはあまりありません。どなたのホロスコープでも、12個のハウスの大きさは異なることがほとんどだからです。
けれど、今回、ヘンリー王子のホロスコープのハウスの大きさの差は、なぜか気になりました。
王子の、大きいハウスでは、1つのサイン(星座)が、丸々すっぽりハウスの中に隠れたように見える、「インターセプト」という現象が起きています。(1ハウスには、ほぼすっぽり水瓶座、2ハウスには魚座、7ハウスにはほぼすっぽり獅子座、8ハウスには乙女座が入っています。)
インターセプトのサインが表わす性質は、その人が発揮しにくい性質となります。
ヘンリー王子の自我を表わす1ハウスには自由・改革を求める水瓶座が隠れ、資質を表わす2ハウスには、ナイーブで繊細な魚座が隠れています。
しかも、気になったのは、こんなにホロスコープの大きな割合を占める1ハウス・2ハウスともに、天体が入っていないこと。いわば、空っぽです。
もっとも、ハウスに天体が入っていないのは、ごく普通のことですし、悪い意味は何もありません! (ホロスコープの基本天体は10個。なので、当然12個のハウス全部に天体が入るはずがないのです。)
ただ、このヘンリー王子のホロスコープの、この大きな空っぽの空間は、なぜか寂しさを感じさせるのです。
こんなにも大きな割合を占める、自我・資質を表わす空間。なのに、天体が全く入っていない・・・。
そして、そこには自由を求める自分や繊細な自分が隠されている・・・。
そんなふうに感じました。
もしかしたら、ヘンリー王子は、無意識のうちに、王室のしきたりや伝統から逃れて自由になりたい気持ち、繊細で傷つきやすい本当の自分を隠しながら成長されたのかもしれません。
人間関係を表わす7ハウスにも、天体は入っていません。
けれど、そこに獅子座がすっぽり隠れています。
獅子座は、承認欲求の強いサイン。
ここでも、王子が自分の承認欲求を無意識に閉じ込めながら、人間関係を構築してきた、そんな印象があります。
そして、興味深いのは、大きなハウスの中で唯一天体が入っているのが8ハウスだということです。しかも、3つも!そして、その3つが太陽・水星・金星という、その人のパーソナリティを創りあげるとても重要な天体ばかりなのです。
王室の伝統を継承する定めの証、8ハウスの太陽
8ハウスというのは、「継承するもの・有形無形の伝統や文化」「隠されたもの」「他者との深い繋がり」「徹底的にこだわる事柄」を示します。
王子の8ハウスには、自己実現を表わす太陽が輝いています!
つまり、家柄など祖先から受け継がれたものを継承していく定めの元、王子はお生まれになったと言えるでしょう。
しかも、この太陽は乙女座。こつこつきちんと努力を続けるエネルギーがあります。
なので、ヘンリー王子には、王室という伝統を、自分なりに力を尽くして守りたいというお気持ちが根底におありなはず。
知性の水星も8ハウス。
特定の事に、徹底的にこだわって取り組む方という印象です。
この水星も乙女座なので、几帳面に完璧に仕事をやり遂げようとする方とも言えます。
実際、「スペア」執筆の際も、下書きではもっともっとページ数が多くなったそうです。
今後、第2弾、第3弾の出版が予定されているそうなので、自分の思い全てを形にするまでは、徹底的にやりぬくおつもりなのでしょう。(実際に仕上げるのは、著名なゴーストラーターさんですが。)
また、愛や美の金星も8室。
親しい人と親密な愛を育み、相手に甘えたいお気持ちも強い方。
そして、この金星は天秤座。
金星は天秤座の支配星なので、天秤座のパワーが強まります。
社交を表わす天秤座ですので、社交上手。
美的センスもおあり。
ただ、優柔不断な一面が天秤座にはあり、相手の言動に振り回され、自分を見失う可能性も。
また、この8ハウスの太陽に、葛藤の関係を結ぶ天体がいくつかあるのが、気になります。
王室を継承する定め、けどそこに大いなる星の葛藤が!
8ハウスで輝く太陽ですが、改革の天王星と違和感の火星が、11ハウスから葛藤の関係でかかわっています。
しかも、天王星も火星も「束縛を嫌い自由に生きたい」射手座です。
そして、11ハウスが表わすのは「志を同じくする仲間・コミュニティ」。
8ハウスの、王室という伝統を継承し守ろうとする太陽に、束縛を嫌う改革・違和感の天王星と火星が、志を同じくする仲間の力を得て葛藤を起こした結果・・・が、今の状態ということでしょうか。
いわば、王室との闘争・・・。奥さんのメーガンさんはその同志といえるのかもしれません。
更に、秘密を司る12ハウスから、夢や心を拡げる海王星と物事を拡大させる木星も、太陽に葛藤の関係!
王室を継承することと、王室の秘密を世にどんどん拡大させることが葛藤・・・。
ヘンリー王子なりのやり方(秘密の暴露)で、自分が考えるよい方向に王室を変えていこうとされているということでしょうか。
しかし、太陽と葛藤する海王星には、他の人に振り回され、自分を犠牲にして、主体性のない人生を送る暗示もあります。
もしかしたら、今の王子の状況もそれに近いのかもしれません。
Netflix、出版社・・・そして奥さんのメーガンさん。
この中の誰が、王子の本当の幸せを考えてくれているのでしょうか。
心の穴
ヘンリー王子のホロスコープの、1ハウス2ハウス7ハウスの大きな空白。
そこには、王子の王室のしきたりや伝統から逃れて自由になりたい気持ち、繊細で傷つきやすい本当の姿が隠れていた。
一方で、8室には、王室の伝統を継承する強い意欲の太陽。
が、その太陽が、他の天体から、伝統の改革・秘密の解放をせまられ、今、その通り王子は動いている・・・。星の定め通り・・・。
何度見ても、ヘンリー王子のホロスコープの大きな空っぽの空間が、気になります。
王子の心にあいた大きな穴のようで。
心に空洞があると、無意識に人はそこを埋めたくなる・・・。
王子はその穴を、どう埋めたいのでしょうか。
そのことも含めて、次は「月」の観点から、王子のホロスコープを読み解いていこうと思います。
ここまで、お読みいただき、ありがとうございました(*^_^*)
(補足) ここまで書いたあと、レジオモンタナス方式では、本当に高緯度生まれの方のホロスコープのハウスの大きさが、プラシーダスに比べていびつにならないのかどうか、気になり出しました。
そこで、同じくイギリス生まれの、ウィリアム王子、エリザベス女王、キャサリンさん(ウィリアム王子の奥さん)、ジョン・レノン・・・のホロスコープを、プラシーダス、レジオモンタナス、両方作って比べてみました。すると・・・
結局、プラシーダスだろうが、レジオモンタナスだろうが、ハウスの大きさは、日本生まれの方のホロスコープに比べると、いびつでした!
とはいえ、ヘンリー王子のホロスコープの、大きなハウスの空白について感じた内容は、そのまま掲載することにいたしました。ただ、あくまでも、私の勝手な直観読みです。ご了承ください💦
そのうち、このハウス方式についても、記事を書きたいなと思っております。