「気になるあの方」を読む⑧ ガンダムの生みの親・富野由悠季さん ~プログレスの新月が語ること~

「気になるあの方」を読む

アニメ界の巨匠・富野由悠季さん

富野由悠季さんは、アニメ監督、演出家、脚本家、小説家、作詞家、漫画原作者など、様々な肩書きをお持ちになる多才なスーパークリエーター。代表作「機動戦士ガンダム」シリーズ以外にも、「海のトリトン」「伝説巨人イデオン」「無敵超人ザンボット3」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」など沢山のアニメ作品を製作されています。また、関連の小説も多数出版され、別の名前で作詞も沢山されています。

現在公開されているアニメ映画「閃光のハサウェイ」も、原作は富野さんの小説です。これも、ガンダム作品の1つで、映画「逆襲のシャア」の後に続くお話です。「逆襲のシャア」で、悲惨な体験をしたハサウェイという少年が、青年となっていわゆるテロリストとして生きる姿を描いた作品です。

先日観てきたのですが、細部までよくねられた脚本、美しい絵、音楽、そしてそれぞれ事情をかかえたリアルなキャラ。期待をはるかに越えた素晴らしい作品でした。

今回富野さんは、この映画の製作には直接携わってはいらっしゃいません。が、当然この映画も富野さんなくては存在し得なかった作品です

さて、「ガンダム」・・・実際に作品を見たことがなくても名前は知っているという方も多いのではないでしょうか。1979年にテレビ放映されてから、40年以上も絶大な人気を誇るアニメ作品です。エヴァンゲリオンの庵野秀明さんも、大きな影響を受けたとおっしゃっています(他にも富野さんの「イデオン」という作品にも大きな影響を受けられたそうです。)

その生みの親である富野由悠季さんの、プログレスの新月を読んでみたいと思います。

プログレスの新月と8つのステージ

30年間を8つのステージ(時期)に分ける

プログレスの新月は約30年ごとに起きその人の新しい人生のテーマの始まりとその内容を示してくれます。

「プログレスの新月」から「次のプログレスの新月」までは約30年間あり、次の8つのステージにわけることができます。(1つのステージは約3年半から4年間) 

①混沌期→②挑戦期→③葛藤期→④期待期→⑤達成期→⑥満足期→⑦奉仕期→⑧移行期 →次のプログレスの新月の混沌期

くわしくは次の記事をご参考になさってください。
  プログレスの新月③:人生のテーマとは? 8つのステージとは? 
  https://hoshiyomi-hitoyomi.com/methods/384/

これまで、富野さんの人生において、3回の「プログレスの新月」が起きています。つまり、富野さんは大きな3つの人生のテーマに取り組んでいらっしゃったと言えます。

その3つのテーマとはいったい何だったのでしょうか。

人生の目的・使命を知ってこそ、プログレスの新月も生きてくる

その前に、まず富野さんの人生の目的・使命を確認しておきたいと思います。人生の目的・使命を知ることで、よりプログレスの新月が生きてくるからです。

人生において「使命」を果たすことを、私たちの魂は求めています。そして、あくまでも、私たちの魂が求める最終ゴールは、この「使命」です。

この最終地「使命」にたどりつくまでの道順・道筋をプログレスの新月が教えてくれているのです。
例えば、A地点からB地点(使命・目的地)まで行くとき、人によって、C地点とD地点(プログレスの新月のテーマ)を通る人もいれば、X地点とY地点(プログレスの新月のテーマ)を通る人もいます。

人は、それぞれのプログレスの新月が示す人生のテーマに取り組むうちに、結果的に「使命」を果たすことができるようになるとも言えます。だからこそ、まず自分がどんな「使命」をもって生まれたのか、最終ゴールは何なのか把握しておくことは、プログレスの新月が示す人生のテーマにより有意義に取り組むためにも大切だと思うのです。

では、富野由悠季さんの「使命」とは一体何なのでしょうか

富野由悠季さんの魂の目的・使命とは?

地球星座が教えてくれる「使命」&太陽星座が教えてくれる「魂の欲求」

その人の「使命」は、太陽中心の占星術である、ヘリオセントリック占星術の地球星座が教えてくれます。(ヘリオセントリック占星術についてはこちらに詳しく書いてあります。ジオ占星術とは? ヘリオ占星術とは? 「ダブル読み」とは? https://hoshiyomi-hitoyomi.com/methods/176/ )

地球星座は太陽星座の真逆になります。地球星座は「使命」を教えてくれ、太陽星座は「魂の欲求」を教えてくれます。(このふたつの違いと関係についても、別の記事で説明しておりますので、よかったらご参照ください。地球星座と太陽星座① その違いと関係について https://hoshiyomi-hitoyomi.com/blog/460/ ) この地球星座も太陽星座も、どちらもとても大切です。

富野さんのお生まれになったとき、太陽は蠍座の12度

そして、この真逆にあるのが地球になります。

富野さんの地球星座は牡牛座で12度

この地球が、富野さんの人生の目的や使命を教えてくれるのです。

蠍座12度・牡牛座12度が意味するもの

まず、太陽が示す魂の欲求」を見てみましょう。

蠍座12度 サビアンシンボル「実験している発明家」 

簡単にいうと「人とのネットワークを構築し、それらの人脈を効果的に活用し、協力しながら新しいものを生みだしていく」のが、富野さんの自然な欲求といえます。自然にそういうことをやってしまっている、ということになります。アニメ製作は、まさに多くの人との共同作業。その中で、必要な才能を見いだし、必要な人材を適材適所に配置して作業を進めることで、いい作品が生まれます。

まさに、新しいアニメ作品を多くの仲間とともに生み出す・・・これが富野さんの魂の欲求と言えます。

次に地球が示す「人生の目的・使命」を見ます。

*牡牛座12度 サビアンシンボル「荷物を運ぶ男」

これは、「自分の才能と能力を駆使し努力を続けることで、課せられた大きな責任を果たす」という意味です。これも納得です。人間のどろどろした部分もストーリーに盛り込み、それまでにない新しいアニメの潮流を作っていらした富野さん。ずっとご自分の才能や能力の限界を超えるかのように活動を続けていらっしゃたように思います。

以上まとめると、「人とのネットワークを構築し、それらの人脈を効果的に活用し、協力しながら新しいものを生みだしていく」ことが自然な魂の欲求である富野さんにとって、「アニメという表現を通して、人間のエゴや欲望、生や死を人々に問うという大きな責任を果たすこと」が「使命」だと言えるのではないでしょうか。

そして、富野さんはこの使命を見事に果たしていらっしゃたと感じます。富野さんの作品を観て、戦争・死・人間の哀しい部分などを考えさせられた方もとても多いと思います。

3つのプログレスの新月

それぞれの期間やサインと度数、そして人生のテーマ

富野さんの3つのプログレスの新月の期間と、サインと度数は次の通りです。

1 最初のプログレスの新月期間とサイン:1955年(14歳)~1985年(44歳)蠍座の26度にて

2 2番目のプログレスの新月期間とサイン:1985年(44歳)~2014年(73歳)射手座の26度にて

3 3番目のプログレスの新月期間とサイン:2014年(73歳)~2044年(103歳)山羊座の26度にて

それぞれのプログレスの新月が意味する人生のテーマを、サビアンシンボルを使って、順に見てみましょう。

1 蠍座26度 → 対応するサビアンシンボル「行進している軍楽隊」= 「自分の信念を信じ、大きな野心を抱いて突き進む」というのが、この時期の人生のテーマで、富野さんは中学生から44歳頃まで、このテーマに取り組まれたことになります。

2 射手座26度 → 対応するサビアンシンボル「彫刻家」= このシンボルが表わすテーマは、ずばり「創造性」自分の内なる情熱や内側から湧き上がる創造力を使って、美しいもの、新しいものを生み出すということです。富野さんは44歳から73歳頃まで、このテーマに取り組まれたことになります。

3 山羊座26度 → 対応するサビアンシンボル「山の巡礼」= 「最後まで頂上を目指し、一歩一歩進む」という意味であり、今現在の富野さんの人生のテーマは、「更なる高みを目指して絶えず前進」というものです。

富野さんの「人生の目的・使命」とプログレスの新月の関わり方

今まで見てきた。富野さんの「人生の目的・使命」と3つのプログレスの関係をまとめてみましょう。

富野さんの「使命」は、「アニメという表現を通して、人間のエゴや欲望、生や死を人々に問うということ」であり、その使命を果たすために、まず「自分の信念を信じて、大きな野心を抱きながら突き進む」こと、次に「自分の内なる情熱や内側から湧き上がる創造力を使って、更に美しいもの、新しいものを生み出すということ」に取り組む必要があった。そして、今は「更なる高みを目指してなお前進中」。

私自身、中学高校と、富野さんのアニメに大きな影響を受けて過ごしました。そして、富野さんのご活躍の軌跡のようなものをずっと追ってきました。そういう1ファンから見ても、星が示す富野さんの「使命」や取り組んでいらっしゃった「人生のテーマ」は、全て納得のいくものばかりです。

プログレスの新月の8つのステージと富野さんの軌跡

ここで、富野さんのご活躍(主にアニメ製作に絞って)を、新月のプログレスの8つのステージと照らし合わせて見てみたいと思います。8つのステージは、気持ちが揺れたりいろいろな意味で葛藤が起きやすい時期、あるいは成果を感じられる時期、周囲の人にその成果をシェアする時期など、8つの時期を表わしています。プログレスの新月の8つのステージ毎に、富野さんのご活躍をまとめてみました。どんなことがわかるでしょうか。  

最初のプログレスの新月の8つのステージ

1 混沌期(1955~1959年頃  14~18歳)

映画、特にアメリカのSF映画に魅了されていらっしゃった高校時代。どういうふうに生きていけばいいか、何を仕事にすべきか、手探りの時代だったと思います。まさに混沌期。

2 挑戦期(1959~1963年頃  18歳~22歳)

1960年大学の芸術学部映画科入学。いろいろなことに挑戦された時期だったことでしょう。

3 葛藤期(1963~1967年頃  22~26歳)

1964年、大学を卒業して手塚治虫さんの虫プロに入社。「鉄腕アトム」などの演出や脚本も担当。けれど、忙しい現場と、もっと動きのある作品を求める富野さんとの間に軋轢が生じ、1967年に退社。

周囲との葛藤や対立がおきやすい時期なのですが、まさにいろいろな意見の食い違いに直面されたようです。

4 期待期(1967~1971年頃  26~30歳)

1967年、虫プロを退社後はCM制作にも関わり,その後フリーとなって、多くのアニメ作品に携わられました。短期間にコンテを早く仕上げることのできるコンテマンとして、有名だったそうです。今まで挑戦してきたことが、実を結びつつあるとき。けれど、油断のできない時期でもあります。

5 達成期(1971~1974年頃  30~33歳)

1971年、ご結婚。

1972年、「海のトリトン」(大好きな作品です!)で、初めて監督を務められる。

これまでの努力が実を結ぶ時期で冷静に達成感を味わう時期ですが、初めて監督を任されたり、充実した時期をお過ごしだったのではないでしょうか。

6 満足期(1974~1977年頃  33~36歳)

 自分が経験してきたことを他の人にも伝える時期。

 1975年、「勇者ライディーン」の監督。途中で降板。

 1977年、日本サンライズの最初のアニメ作品「無敵超人ザンボット3」の総監督・原作・演出・絵コンテ・原画など担当。ライディーンの時の途中降板の経験から、企画段階からスポンサー企業などに、どんな武器やメカを出してほしいかなど要望を聞いた上で、設定などを考えられました。まさに、自分の経験をいかし、新しいアニメ製作の手法を周りにも教えることにつながりました。。

7 奉仕期(1977~1981年頃  36~40歳)

さらに自分の知恵や経験を社会に還元していく時期。個人の幸せより社会全体の幸せとは何か、人生の在り方などを深く考えるようになる時期。

1979年、「機動戦士ガンダム」放映開始。心に屈折したものを持つ登場人物がたくさん出てくるこの作品も、この時期だったからこそ生み出された作品とも言えるのではないでしょうか。

1980年「伝説巨神イデオン」の総監督・原作・脚本など。この作品も、人間のエゴ、哀しみを深く描いた衝撃的な作品でした。

1979-81年 小説「機動戦士ガンダム」全3巻

8 移行期(1981~1985年頃  40~44歳)

次のプログレスの新月が近づき、気持ちが揺れる時期。転職をしたりする方も。芸術家では作風が変わったりする時期でもあります。

1981年 映画「機動戦士ガンダム」 総監督

1982年 映画「伝説巨人イデオン 接触篇・発動篇」 総監督

1982年 「戦闘メカザブングル」 総監督・原作など

1983年 「聖戦士ダンバイン」 総監督・原作など

1984年 「重戦機エルガイム」 総監督・原作など

ザブングル・ダンバイン・エルガイムは、それまでのガンダム・イデオンとはいろいろな点で違う作品でした。

ザブングルは、主要キャラクターまでどんどん死んでしまうので「皆殺しの富野」の異名をとった富野さんが、「誰も死なない作品とする」と決めた上で制作されました。

また、ダンバインやエルガイムは、メカものでありながらファンタジー色の強い作品でした。

この時期、いろいろな方向性を探りながらアニメ製作に取り組んでいらしたように見えます。

そして、この後2番目のプログレスの新月をお迎えになられます。

2番目のプログレスの新月の8つのステージ

1 混沌期(1985~1989年頃  44~48歳)

1985年 初めての続編もの「機動戦士Zガンダム」総監督・原作など。

1986年 「機動戦士ガンダムZZ」総監督・原作など。

1988年 初の劇場オリジナル作品「逆襲のシャア」監督・原作など

1985-86年 小説「機動戦士Zガンダム」全5巻

1987-88年 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」全3巻

1988年 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」

「自分の内なる情熱や内側からあふれだす力で、美しいもの、新しいものを生み出す」という、新しいテーマの最初の段階。今後どんな作品を作っていくのか、続編ものを初めて手掛けたり、オリジナル劇場作品を初めて手掛けて、いろいろと模索された時期だったのではないでしょうか。

2 挑戦期(1989~1993年頃  48歳~52歳)

1991年 新たなるガンダムシリーズ「機動戦士ガンダムF91」監督・原作・脚本など

時代が「機動戦士ガンダム」とは完全に異なる設定の作品。

1989-90年 小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」全3巻

3 葛藤期(1993~1997年頃  52~56歳)

1993年「機動戦士Vガンダム」総監督・原作。初回は、主役機が出てこない内容だったため、スポンサーの意向で4話と初回が入れ替えになったエピソードがあるそうです。結局、入れ替えになってしまいましたが、初回に主役機を出さない、新しい展開にも挑戦されていたのですね。

また、この作品の制作時、心労や会社の方針との違いなどの軋轢などが重なり、鬱状態にもなられたそうです。

1994年 漫画「機動戦士クロスボーン・ガンダム」の原作(初めて漫画制作に携わられる)

1996年 初めてのOVA作品「バイストン・ウェル物語 ガーゼィの翼」純粋なファンタジー作品。鬱状態の中製作されたそうです。

4 期待期(1997~2001年頃  56~60歳)

1998年 WOWWOW初のオリジナル有料アニメ「ブレンパワード」総監督・原作など

1998年 「機動戦士ガンダム」誕生20周年記念作品「∀ガンダム」総監督・原作。過去に作られた全てのガンダム作品を、『全否定かつ全肯定する』作品を目指され、多くのスタッフの意見をとりまとめながら製作に携われたそうです。

1997年 小説「密会 ~アムロとララァ」

5 達成期(2001~2004年頃  60~63歳)

2002年劇場版「∀ガンダム」2部作公開。

2002年WOWWOW「OVERMANキングゲイナー」総監督・原作ほか やはり、多くのスタッフの意見をとりまとめ、キャラクターデザインにもグループワークなどを取り入れ、高いレベルのデザインを実現されました。

2003年 金沢工業大学客員教授就任。「ガンダム創出学」担当。

6 満足期(2004~2007年頃  63~66歳)

 自分が経験してきたことを他の人にも伝える時期。

2005年 劇場版「機動戦士Zガンダム」三部作公開

2005年 初めてのWEBアニメ「リーンの翼」監督

2006年映画「日本沈没」カメオ出演

7 奉仕期(2007~2011年頃  66~70歳)

さらに自分の知恵や経験を社会に還元していく時期。

2008年映画「少林少女」カメオ出演

2010年映画「日本のいちばん長い夏」に出演

8 移行期(2011~2014年頃  70~73歳)

次の新月が近づき、気持ちが揺れる時期。転職をしたくなったりや芸術家では作風が変わったりする時期。

この時期は特に新しいアニメ作品制作へのご参加はないようです。2014年からの「ガンダムGのレコンギスタ」の構想などを練っていらっしゃった時期なのかもしれません。

3番目のプログレスの新月の8つのステージ

1 混沌期(2014~2018年頃  73~77歳)

2014年 「ガンダムGのレコンギスタ」総監督・原作

2016年 一般社団法人「アニメツーリズム」理事長就任

2 挑戦期(2018~2022年頃  77歳~81歳)

2019年、2020年、2021年 劇場版「ガンダムGのレコンギスタ」

現在は、3番目の新月のプログレスの挑戦期というステージにいらっしゃる富野さん。これからも、3番目の新月が表わすテーマ「更なる高みを目指して絶えず前進」を続けていかれることでしょう!今後も富野さんのご活躍から目が離せません!

まとめ

アニメ界の巨匠でありスーパークリエーターの富野由悠季さん。

星が教えてくれた富野さんの「使命」や30年ごとの「人生のテーマ」は、まさに富野さんの今までのご活躍とぴったり符号していました。

また、プログレスの新月の8つのステージをたどられるとき、そのステージの特徴にあうような様々な葛藤や悩みも経ていらっしゃったのが感じられました。

これだけ凄い方でも、いろいろ葛藤されたり悩まれたりしながらずっと挑戦していらっしゃったのだと思うと、自分も頑張ろうと自然に思えました。

また、星が私たちに教えてくれることやメッセージの大切さにも,改めてしみじみ感動した次第です。

長い文章、最後まで読んでくださりありがとうございました!

 

 

  •  

 

  •  

 

タイトルとURLをコピーしました