「気になるあの方」を読む:袴田巌さん① ~無実への長い闘い~ Tスクエア・ヨッド、2つのアスペクトが示すこと

「気になるあの方」を読む

無実への長い闘い

袴田巌さん、このお名前を耳にされたことがおありの方も多いのではないでしょうか。1966年、昭和41年に起きた強盗殺人と放火事件の犯人とされ、死刑判決を受け、45年間以上収監されていた方です。

1966年(昭和41年)6月30日に静岡県で味噌製造会社の専務一家4人が殺害された事件。その従業員で元ボクサーだった袴田さんが疑われ、やがて逮捕されました。

袴田さんはずっと無罪を主張していましたが、自白の強要もあったようで、結局死刑が確定しました。

逮捕当時、袴田さんは30歳。事件の再審開始と、死刑と拘置の執行停止が決まったのは2014年3月のこと。収監後なんと45年以上もかかりました! 袴田さんが拘置所で拘束されていた期間の長さは、世界最長収監としてギネスでも認定されたこともあります。

そして先日、2023年10月にやっと再審が始まりました。残念なことに、袴田さんは収監中に死刑への恐怖などから精神疾患を発症され、意思疎通もままならぬ状態になられました。現在もその状態が続いていらっしゃいます。その為、お姉さんが袴田さんの代わりに裁判に立たれています。お姉さんは当初からずっと一貫して弟さんの無実を訴えてこられました。

この事件では、当時の警察の取り調べの仕方、事件の調査の仕方が問題視されています。また、警察による証拠品の捏造なども疑われています。

東京高等裁判所も、再審を決定する際、袴田さんの弁護側がこれまでに示してきた証拠品に関する実験結果などについて「無罪を言い渡すべき明らかな証拠にあたる」と認めています。

なので、おそらく袴田さんの無罪は確定されると思います。が、再審が結審するのは、来年2024年3月とか7月頃ではないかと言われています。現在袴田さんは87歳、お姉さんが90歳。一刻も早く結審されるとよいのですが。本当に袴田さんとお姉さんの人生をかけた長い長い闘いです。

ところで、このような過酷な冤罪事件に巻き込まれてしまった袴田さん。一体事件当日の星周りはどんな感じだったのでしょうか。また、袴田さんの出生時のホロスコープからも、何か読み解けるでしょうか?

まず、袴田さんの出生時のホロスコープをさっと読んでみました。

出生時のホロスコープから伝わる袴田さんのお人柄

袴田さんは、1936年3月10日、静岡県浜松のお生まれ。出生時刻はわかりません。

袴田さんの出生時の天体の配置から性格や資質をざっと読むと、火と風のサインが表す男性的エネルギーが強い方だといえます。ボクサーとして活躍されていたのもうなずけます。

一方、火と地のサインが示す自分ベースのエネルギーより、風と水をあわせた関係性ベースのエネルギーのほうが強い方です。これは、物事を進める時など、自分の思惑より、周りの人の思惑やその人たちと関わる事で自分の理想の実現していくことを目指します。

また、魂の欲求を表す太陽が魚座で、人への共感を大切にする、ロマンチックな方。感情を表す月も天秤座で、バランスのよい人間関係を目指し、人から好かれようという思いの強い方。

とても勇ましいボクシングをしていらっしゃいましたが、本質的には人の心をわかろうとする、優しい雰囲気の方だったように感じます。

気になるアスペクト

次は、袴田さんのアスペクトについてです。気になったのは次のアスペクトです。

1: 太陽と土星が0度でコンジャンクション。そのコンジャンクションが海王星と180度で木星とは90度、Tスクエアを形成(下の図の赤い三角形)

2:水星と金星が0度でコンジャンクション。そのコンジャンクションが木星と60度で冥王星とは150度、ヨッドを形成(下の図の緑の三角形)

1のTスクエアについて

*Tスクエアとは

Tスクエアは、2つの天体が180度で向き合い、直角二等辺三角形の底辺を作っています。その中間の90度に頂点となる天体があります。Tスクエアは試練と葛藤の多い人生を暗示するといわれ、頂点にあたる天体が、底辺にあたる天体と葛藤を生みだします。しかし、葛藤が大きいほど、発展性もあるといわれる複合アスペクトです。

*魂の欲求の太陽と制限の土星が0度、コンジャンクション

袴田さんのTスクエアの底辺にあたる天体の1つが、魂の欲求を表す太陽と制限の土星の0度のコンジャンクションです。魂の欲求の太陽に制限の土星が重なる場合、人生の目的を実現することに制限が加わると考えられます。何か人生の目的をかなえようとしても、時間がかかったりするのですが、まさに収監されて自由を制限されていた袴田さんの人生を象徴しているようにも思えます。

(もっとも、このアスペクトがあるから収監されるということは決してありません。何か自分の意志が制限されることが起きるかも、ということです)

*コンジャンクションの太陽と土星が夢や夢想の海王星と客観視・緊張の180度

そして、もう一つの底辺の天体は夢想の海王星。この海王星が、自由に生きようとする意志を制限する暗示の太陽と土星のコンジャンクションと180度のオポジションの関係。オポジションは緊張や客観視の意味があり、海王星がコンジャンクションの太陽と土星を客観視しています。あたかも、死刑囚として収監された袴田さんが、死への恐怖と闘い、自分の意識(太陽)を守る為、客観的にあえて夢想の世界に自分を閉じ込めた・・・とも言えるのかもしれません。

また、制限・責任の土星は現実に向き合う能力も表しますが、袴田さんの土星は魚座。魚座には自己犠牲という側面もあり、無実の罪で自分を犠牲にした袴田さんが、現実逃避で海王星の表す夢の世界に入り込むという風にも読めます。

*発展・楽観の木星が、太陽と土星、海王星と葛藤の90度

そして自己を表す太陽、責任を表す土星、共感性を表す海王星がそれぞれ楽観性の木星と90度の葛藤の角度です。もしかしたら、大らかがすぎて大雑把だったり、詰めが甘かったり、人がよすぎたりという傾向が袴田さんにおありで、警察からすると罪を着せるのに好都合な方だったのかもしれません。(冤罪と仮定してですが)

*柔軟宮のTスクエア

また、このTスクエアは、柔軟性を表すサインで形成されており(太陽と土星の魚座、海王星が乙女座、木星が射手座)で、優柔不断な傾向を生み出します。もしかしたら、警察の取り調べの中で、曖昧なお答えをされたりすることがあったのでしょうか? それを警察が無理に自分たちにとって都合のいい供述だとして受け取ったのでしょうか。

2のヨッドについて

*ヨッドは神の手

ヨッドは、細長い二等辺三角形を形成しています。2つの底辺の天体は60度、それらがそれぞれ頂点の天体と150度の角度をとっています。

ヨッドを持つ人は、運命に翻弄される傾向があるといわれます。まるで神様の指にぐっと押さえつけられて自分ではどうしようもできないような状態に陥ることがあると。それで、ヨッドは神の手と呼ばれています。

ヨッドの頂点となる天体が神から目指せと言われる場所、そして頂点の天体は底辺の天体から変化を強いられます。そして、底辺の天体は頂点の天体の変化のために制限や妥協を強いられます

ところで、天体と天体がとる角度をアスペクトというのですが(天体以外のアセンダントなどの感受点との角度の場合もある)、アスペクトの法則というものがあります。太陽から遠いほうの天体が他方の天体に影響を与えるというものがあります。

例えば、火星と天王星がアスペクトを取っている時、太陽からより遠い天王星が火星に影響を与えるわけです。

なので、ヨッドにおいて、頂点の天体が底辺の天体から変化を強いられるのであれば、天王星や海王星、冥王星などの遠く離れた天体が、頂点にくるのはありえないという考え方もあります。天王星、海王星、冥王星は変化を強いる側の天体ですから。

けれど、ヨッドではその法則をあてはめなくていいと私は思っています。「神」が関わるアスペクトに、型にはまったルールは必要ないと思うからです。それほど、不思議なパワーを秘めたアスペクトのように感じています。

そして、袴田さんのヨッドの頂点は、死と再生、根こそぎの大変容の冥王星

まさに、死と再生が袴田さんが、神から課された目指すゴール

底辺の天体は、知性の水星と喜びの金星が0度のコンジャンクションと、楽観・拡大の木星です。

水星と金星のコンジャンクションは、洗練された会話やにぎやかな会話、素直な感性を示します。木星は楽観性。これらが、頂点の冥王星が変化する為に、制限を受ける。

死刑の宣告から、無罪を勝ち取るという、大変容が、神から与えられた袴田さんのゴール。そこにむかって、洗練された会話、楽観性が制限される。

袴田さんは、人生の中で死から甦る不死鳥のように、暗闇の混とんとした状態から再生して飛びたたねばならない…。

アスペクトまとめ

以上、ざっとまとめると、袴田さんのTスクエア、そしてヨッドのアスペクトが、袴田さんの数奇で過酷な再生の物語を暗示しているように感じられました。

ただ、注意したいのは、袴田さんと同じようなアスペクトをお持ちの方が、皆こういう過酷な運命を生きられるというわけでは決してないということです。

その時の星周りなども大きく影響します。そこで、次は事件当日の星周りが袴田さんの出生時のホロスコープに、どのような影響を与えたか見ていきたいと思います。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました♪

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